離婚と子供

■親権とは?
親権とは、成人に達しない子に対して親が持つ権利と義務のことを言います(民法第818条第1項)。

親権の具体的な内容を大きく2つに分けると、身上監護権と財産管理権があります。

身上監護権とは、子の世話や教育を行う権利です。例えば、居住する場所を指定する権利(821条)やしつけを行う権利(822条)のほか、職業の許可権(823条)などがあります。

これに対し、財産管理権とは、子どもの持つ財産の維持管理や、それにかかわる法律行為を代理する権利です(824条)。

親権者自身の利害と子の利害が対立する法律行為においては
代理することができませんが(利益相反行為・826条)、判例は親権者の広範な裁量を認めています。

■養育費とは?
養育費とは、子の生活費を言います。親は養育費を分担する義務を負っており、その負担の割合は両親の収入の状況などを考慮して決定することになります。

離婚の場合には、離婚協議や離婚調停のなかで、養育費についての取り決めもしておく必要があります。

具体的な金額については、「養育費算定表」をもとに決定するのがよいでしょう。養育費算定表は裁判所ホームページからも確認できます。

ひと月当たりの金額を設定しておき、定期的に銀行口座に振り込むという方式が一般的です。

■面会交流とは?
面会交流とは、離婚して別居することになった親が子どもに会うことを言います。そして、面会交流を含む離婚条件の決定の際には、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とされています(766条1項後段)。実際の裁判では、暴力などの特別な理由のない限り、面会交流の権利が認められています。

離婚に際して面会交流の取り決めを行う場合、①面会交流の頻度、②1回の面会交流の時間、③受け渡し場所などを決定することになります。

面会交流の場所については、そのときの子供の希望に応じて決めるケースが多いようです。